七姫物語

七姫物語 (電撃文庫)

七姫物語 (電撃文庫)

図書館で借りたまま二週間放置、やばい返却日明日じゃんということで慌てて読んだのだけど これは良い
舞台は和風ファンタジー、以前小説を読んだりアニメで見た「精霊の守人」に全体の雰囲気は近いと感じたのだが、物語の切り口が全く違う、精霊の守人のバルサのように主人公の活躍を中心に描いているわけではなくて、元々はふつーの女の子だったお姫様の視点を通して、隣国との関係や経済の動き、自分の国はどんな状況で、隣国は何を考えているのか、序盤はやや現実と距離を置いた形で描かれる姫の生活ですが、中盤以降の姫と軍師と将軍の三人で大きなものをグイグイ動かしてゆく感じが非常に気持ちいい 精霊の守人がミクロ的な視点だとしたら、本作はマクロ的視点で和風ファンタジーを表現していると思う
んで、こういった切り口ってのは、魔法もドラゴンも出てこない分、実際の世の中で物事が動いている課程に近いよなぁと 一人の努力と根性と超能力等で状況が変化するパターンもあることは間違いないが、実際に動かしてるのはすでに力を持っている人々だったり、金持ってる人だったり、他との関係とか立場とか、火もでなければ水も凍らない要素で物事は決定されて大きな流れになることの方が多い*1 その分、読んでいて面白くもあり怖くもある 燃え要素も萌え要素も少なく、ライトノベルらしくないとさえ感じてしまう本作ですが。 イラストレータの人選含め、物語のおもしろさを魅せる方向性にまとめてあるのが素敵です。 おすすめの一冊

*1:このあたりは社会に出てからから特に思う、良い悪いは別ね